(質問)使用済燃料受入・貯蔵プールの微生物腐食対策について知りたい。

 
1.微生物腐食と判断した経緯
  平成14年7月にPWRプール下部横溶接線上で微細な穴状模様が観察され、その穴状模様について以下の状況から微生物腐食と判断いたしました。

電子顕微鏡観察により腐食と考えられる微細な凹凸が確認されたこと
観察された凹凸は微生物腐食の特徴とされる特定組織の選択腐食によるものと考えられたこと
原水及びプール水(PWRプール水)に腐食に関与すると考えられる微生物の存在が確認されたこと
(平成14年9月22日報告)

 

2.微生物腐食対策
  プール下部横溶接線上で観察された微細な穴状模様について微生物腐食と判断したことから、微生物腐食対策として以下の対応を取りました。

実プール水を使用した殺菌効果試験等を実施し、20ppm以上の過酸化水素の注入が効果的であるとの評価を得たことから、微生物の存在が確認されたPWRプール水について20ppmの過酸化水素水を注入し、注入後、腐食に関与する微生物が存在しないことを確認した(平成14年11月実施)
微生物の殺菌に必要とされる残留塩素濃度を下回ることがないように系統中の残留塩素濃度測定個所である「ろ過水槽」(下図参照)に管理目標値を設けるとともに、監視頻度を増加させ管理強化(下表参照)を図った(平成14年12月実施)

 

   
3.結論
 

 平成15年5月及び10月にも微生物腐食対策の効果確認のため、再度、すべてのプール水について微生物調査を実施し、腐食に関与する微生物が存在しないことを確認しました。

 また、原水の処理系統における残留塩素濃度管理の強化後は腐食に関与する微生物がプールへ流入しない状況にあります。これらのことから、今後、プールにおいて部生物腐食が発生することはないものと判断しております。